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3割の1割アップ

  • ku-kan
  • 2021年6月30日
  • 読了時間: 2分

「一般に建物は震度いくつまでもつものでしょうか?」


構造設計の仕事をしていると、よく一般の方からこういうご質問を受けます。

なかなか本にも書かれていないので、昔は私もどう答えていいか窮していました。


私なりにいろいろ調べているうちに、建物の耐震基準は旧建設省が、

一方震度は気象庁が作った基準であることを知り、

これがなかなかリンクしないことが、話を難しくしている理由のひとつかなと

思うようになりました。


しかも震度は震度計が全国に設置されるまで、

気象台の職員等がその地域の被害状況を見て決めていたそうで、

それが割とつい最近(平成初期頃)まで続いていたことは、

あまり知られていませんが、ちょっとした驚きです。


もう20年以上前の話ですが、その道の権威ある教授の講演会で、

「今の耐震基準は、震度5弱で損傷しない、震度6強で倒壊しないのが目標です。」と

おっしゃっていたのを聞き、私の中でやっと震度と耐震基準の関係が少し理解できました。

つまり震度5弱では地震が来る前と同じ、

建物の床も傾いていなければ、壁にひびも入っていない状態。

震度6強では床や壁が少々傾いてもいいので、建物がぶっ倒れなければいいというのです。


これを聞いた時は少し驚きました。

実際建物の床や壁が傾けば、その建物は使い物にならず解体するしかありません。

解体費及び建て替え費を考えると大変な金額になるでしょう。

と考えるとこの考え方は、私には、

大地震が来たらたとえ財産を失っても死ななければいい、というふうに聞こえたのです。

専門外の方がこれを聞いたらどう思うでしょうか。


今でこそ法律よりも上位の耐震強度をめざす耐震等級なる考え方がありますが、

当時はありませんでした。

それ以後、私は次のような考え方を建築主によくお勧めしておりました。


キッチンや浴室にお金をかけるのもいいでしょう。

しかしみずからの財産を守るために、

構造体の費用が総工事費の3割として、それの1割をアップし、骨組みを丈夫にしませんか。

そうすれば総工事費約3%アップですが、どれだけ安心かわかりません、と。


みなさんはどう思われますか?


2019年6月22日(土)調布・木構造カフェにて発表

 
 
 

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